今日何を思ったか『変態村』を観に行った。正直、この邦題のインパクトだけで選んだようなものだけど、期待に違わず怖い映画だった。
ハンサムな流れの歌手マイクはクリスマスのライブツアーの途中、車の故障で人里離れたペンションに世話になることに。ペンションの主バルテルはマイクを強引に引き止め、蒸発した妻グロリアと混同していく。マイクを殴り妻の服を着せ、監禁して歪んだ愛の生活が始まった。
血だらけのマイクが屈辱に身を震わせながら号泣する様子は重い。決して貧弱でもなく、少年という年齢でもない大の男が受ける屈辱は計り知れない。
セクシーなマイクは男女どちらにも性的アピールがあるが、どう見ても”男”なのに…。女のいない村で家畜とセックスするほどバランスが壊れつつあったところに、マイクの登場でその均衡が崩れてしまった。相手が男だとわかっていても妄想は止まらない。ずっと持って行き場のないモヤモヤを感じながら観てしまうのでストレスが溜まるね。★★★☆☆
原題”Calvire”は「受難」や「キリストの磔」を意味する。監禁生活から逃げたマイクを捕らえたバルテルはキリストのようにマイクを十字に磔にし、手首に釘を打つ…!イタッ!
「こんなに愛しても、まだ足りない」ような狂信的な愛って決して双方向ではないのが怖い…。
愛に飢えているのに相手から絶対にもらえない愛情を求めるのってどうなんだろ。

原題:The iland(05年米)
監督:マイケル・ベイ
出演:ユアン・マクレガー / スカーレット・ヨハンソン
近未来をキーワードに観たもうひとつ『アイランド』だが、これは面白かった。
地球は汚染され、安全で管理された巨大施設で暮らすリンカーン(ユアン)。楽園”アイランド”に移住することを夢見て、抽選に当たるよう祈る毎日。あるときリンカーンは一匹の蛾によって下界の汚染を疑い始め、遂に自分達が所有者のクローンである事実を知る。アイランド行きが死を意味することを。
施設側が一般客に、クローンである彼らのことを植物に例えて”保険”を持つことに罪悪感を持たせないようにしている場面がリアル。あくまで体のパーツの予備にすぎない彼らに、自分と同じように感情や痛みがあると知ったら複雑です…。
施設のデザインも素晴らしいし、15歳程度の教育しか受けていないリンカーンとジョーダン(スカーレット)の逃亡劇が手に汗握るアクションの連続で退屈しない。
いや〜、最後開放されたクローン達がこの先どうなるのだろう…?と心配してしまいました。★★★★☆
VFXはILMがエピソード3のかたわら、『宇宙戦争』と同時に制作していたらしい。素晴らしいの一言ですね!
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原題:I,Robot(04年米)
監督:アレックス・プロヤス
出演:ウィル・スミス / ブリジット・モイナハン
仕事の参考にと観たDVDをふたつ、感想を書いておく。
まず『アイ, ロボット』だが、正直イマイチだった。
途中、ストーリーが読めてしまうのだ。
ロボット工学の第一人者の博士が、ロボット3原則がプログラムされていない一体の新型ロボットサニーを残して謎の死を遂げる。ロボット嫌いの刑事(ウィル)は調査を続けていくうち、新型ロボットの大群に命を狙われるように…。
始めこそ3原則をプログラムされていないサニーが怪しく思えるが、絶対味方でしょコイツは、とすぐわかる。案の定と思ったはいいが、黒幕がロボテック社の社長だとありがちなので消去法でいったらやっぱりでした。まさに火サスレベルの犯人探しでした…。
ロボット達が暴走する理由がわからないし、誰にも共感できずに終わってしまいました。
何より、メインの新型ロボットのデザインが好きになれない。瞳がリアルで気持ち悪い。★★☆☆☆
VFXを担当したのはDigital Domain。
監督・脚本:三谷幸喜
出演:役所広司 / 松たか子 / 佐藤浩市 / 香取慎吾
確定申告で王子税務署に行った帰りに、王子シネマで『THE 有頂天ホテル』を観た。お年寄りの多いなか、ほとんどが空席のまま上映が始まった。
舞台は都内の高級ホテルの大晦日。ホテル中の従業員が奔走するなか、その手を煩わせるワケありの客達、コールガールにパーティのショーで呼ばれた芸人達。それぞれの物語がひとつに収束して見事に大々円へと向かう。
オールスター勢揃いの三谷監督の3作目である本作品。キャスティングする前に、必ず俳優と直に会うという三谷さん。会ったときのインスピレーションで配役を決めるらしいが、唐沢くんとオダギリジョーのハゲヅラはどうでしょう?男前が台無しなのに、楽しんで演じているのは良かったけどね。
息も付かせぬほど、次から次へと問題が起こって退屈はしない。しかし急かされ感も若干アリ。
辻褄が合っていく面白さでクライマックスは盛り上がるハズなのだが、なんかねえ…。やっぱりキャストが多いってことはそれぞれの見せ場を作らなければならず、ストーリーが説明臭くなってしまうのかな。★★★☆☆
原題:STEALTH(05年米)
監督:ロブ・コーエン
出演:ジョシュ・ルーカス / ジェシカ・ビール
近未来のアメリカ海軍が舞台。ステルス機タロンを駆る3人の精鋭パイロットに、新たなメンバーとして無人ステルス機エディが加わる。最新鋭の人工知能を搭載したエディは脅威的な能力を発揮するが、突如暴走し始める…。
前半がエディの暴走ぶりにスポットが当たっているのに対し、後半は人間ドラマが中心であるため中途半端感が否めない。せっかくエディの無機質な感じが不気味で良いのに『ナイトライダー』のキッドよろしく後半コロッとイイ奴になるし、ストーリーが読めてしまったな。エディには、とことんヒールでいてほしかった。
それに3人の精鋭パイロットの説明が長い。3人の結束の固さなどサラッとで良いし、恋愛ドラマもいらない。むしろ男同士の友情の方が集中できたのに。★★☆☆☆
当然、デジタル・ドメインがHoudiniを導入して手がけた映像は言うこと無しの素晴らしさ。
タロンもエディも空想の戦闘機であるのを忘れるくらいの出来栄えです。

監督・脚本:三谷幸喜
出演:唐沢寿明 / 鈴木京香 / 西村雅彦 / 戸田恵子
『THE 有頂天ホテル』も絶好調な三谷監督初作品の『ラヂオの時間』(97年)をTVでやっていた。いや〜、三谷監督はご自身のキャラだけでなく、作品もそこはかとなく面白いですね。
脚本家デビューとなった主婦鈴木みやこ(鈴木)の見守るなか、生放送のラジオドラマが始まる。リハーサルは滞りなく進んだが、主演女優のワガママに始まり熱海の設定がNY、はたまたシカゴへと変更される。本番中、辻褄を合わせるため次々と脚本は書き直され、遂にはみやこの書いた結末とは正反対のエンディングを迎えようとしていた…。
各俳優さんの個性をバッチリ掴んでいて、映画初監督とは思えない完成度。ベテラン声優役の井上順氏やナレーションの並樹史朗氏など、これ以上ないキャスティングでした。
セーターを肩に掛ける「純一掛け」も決まっている唐沢さんには、こんなディレクターいそう!とウケた。
花火の音を実演する藤村俊二さんが倒れてしまわないかハラハラしたし。★★★★☆

監督・脚本:宮崎駿
音楽:久石譲
『風の谷のナウシカ』(84年)をTVでやっていた。「風の谷の〜ナウ〜シカ〜♪」(作詞:松本隆 作曲:細野晴臣 歌:安田成美)が懐かしい。当時安田さんはオンチで有名だったのだが、これほど後世まで聞くことになろうとはご本人も思ってなかったに違いない。だって名作の主題歌ですもの、仕方がありません。
巨大な蟲と有毒な瘴気を出す腐海のほとりに位置する風の谷の姫ナウシカは、蟲や動物と話す不思議な能力を持つ。ある日風の谷にトルメキアの巨大な輸送機が墜落し、平和な風の谷がトルメキアとベシテの戦いに巻き込まれる。墜落跡から発見された積荷は、世界統一を企むトルメキアがベシテで発掘された巨神兵を強奪したものだった。巨神兵の復活を妨げるためベシテは、風の谷を蟲に襲わせる。
久し振りに観たけど、やっぱり面白い。ナウシカがメーヴェで飛翔するシーンとか大好きだ。
宮崎駿作品の中で最もストレートにメッセージが伝わる作品だと思う。ナウシカ以降、興行的にも技術的にもナウシカを超えるジブリ作品はたくさんあるが、ナウシカは金字塔。別格。
ストーリーが意外とオトナ向けであることに驚き、子供の頃とは違った目線で観ているんだなあ、と改めて思った。★★★★★
ナウシカは、アニメ雑誌「アニメージュ」に連載されていた漫画が映画化されたもの。
>>>続きを読む原題:The Long Kiss Good Night (96年米)
監督:レニー・ハーリン
出演:ジーナ・デイヴィス / サミュエル・エル・ジャクソン
普通の主婦が実は記憶をなくした凄腕スナイパーだった!というひと言で終わるストーリーなのだけど、その豹変振りがとても大好きな映画。レニー・ハーリン監督が当時妻だったジーナを主演に撮ったアクション巨編モノ。
個人的には美人とは思えないジーナが、すごくキュートに見えてくる。主婦にしてはデカ過ぎるジーナ(身長186cm)が、記憶を取り戻してバッタバッタと敵を倒していく様子がイイ!スパイ姿のジーナのカッコイイこと。金髪に濃いアイシャドー、べったり塗ったルージュにシビれます。あまりスタントを使っていない体当たりの演技が素晴らしいし、爆発をメインとした映像は迫力満点です。今では大御所っぽいサミュエル・エル・ジャクソンの三下探偵役もイイ味出してる。★★★★★
至上最強のお母さんでしょう。
頭を使わず単純に楽しめる、サイコーの映画です。
原題:xXx(02年)
監督:ロブ・コーエン
出演:ヴィン・ディーゼル / アーシア・アルジェント / サミュエル・エル・ジャクソン
続編の『トリプルX ネクスト・レベル』(05年)は日本では公開されなかったが、ヴィン・ディーゼルが降板したせいでしょうか。ま、監督も違うようですが。
しかしこの『トリプルX』、サイコーですね!ヴィン・ディーゼルがイイ!
エクストリーム・スポーツのカリスマ、ザンダー・ケイジ(ヴィン・ディーゼル)はNSA(国家安全保障局)に捕まり、強引なテストの結果シークレット・エージェント(コードネームX)に任命される。断ると刑務所行きだと脅され、渋々スパイとしてチェコのプラハへ飛ぶことに。テロ組織の内部に潜り込み、Xは情報収集の任務を楽々とこなしていく…。
内容は007にも似たスパイ物だけど、なんだか新しい。ヴィン・ディーゼルのマッチョでタトゥなボディが逞しく、やんちゃな笑顔が超キュート!しかも意外と知的でカッコイイ〜!いや〜抱かれたいかも。バイクアクションからスカイダイビング、スノーボードと何でもやってくれます。ワイヤーやCG流行の昨今で、あんなに体当たりのスタントはスゴイ!あの『オペラ座・血の喝采』のダリオ・アルジェント監督の娘アーシア・アルジェントもアバズレなヒロイン役がイイ感じです。一瞬ウィノナ・ライダーかと勘違いしてしまったけど。武器オタクなエージェントもイイ味出してるし、同じメンツで続編が観たかった。★★★★★
あの雪崩のシーンのVFXは、Digital Domainが担当。サスガ。
監督:レニー・ハーリン
脚本:シルヴェスター・スタローン
出演:シルヴェスター・スタローン / バート・レイノルズ / キップ・パルデュー
昔シルヴェスター・スタローンが大好きで、別所さんでお馴染み丸大ハムのCMに出演していた頃のピンナップを下敷きに入れていたな。キャスケット被って手紙持ってくるの。『ドリブン』(01年)は、『クリフハンガー』
(93年)のレニー・ハーリンとスタローンのコンビで贈るレース巨編。
今回のスタローンはメインではなく、若手ルーキーのジミー(キップ・パルデュー)のサポート役に徹している。カール(バート・レイノルズ)率いるレーシングチームに、ジミーの教育係として再びレース復帰するジョー(スタローン)。チームメイトのクラッシュなどを経て、ジミーは自分の走りを見つける。
ストーリー的にはエロなシーンもなく、わりと健康的な青春映画な感じ。もともと期待度が低かったので、そこそこ楽しめた。ノーヘルで市街地をカートで疾走(時速312km!)するシーンやエステラ・ウォーレンのシンクロなどツッコミどころ満載。★★★☆☆
CGは合成が浮き気味だったけど、スローモーションなところが死を目前にした走馬灯の雰囲気が出ていたし、速く見せる工夫が演出されていて頑張っていた。VFXを担当したのは、Digital Dimension, Kickstart Productions, MetroLight Studios, OCS/Freeze Frame/Pixel Magic, Pacific Title Digital, Tigar Hare Studios。
個人的にはキップ・パルデューの眼鏡姿にノックアウト。
『ピンポン』のスマイルARATAを彷彿とさせる。
■参考リンク:
・DigitalDimension.com the making : DRIVEN
・Pixel Magic - DRIVEN
・SFX-VFX映画時評『ドリブン』
監督:平山秀幸
原作:桐野夏生
出演:原田美枝子 / 倍賞美津子 / 室井滋 / 西田尚美
『OUT』(02年)を観た。弥生(西田)が暴力夫を殺してしまい、雅子(原田)、倍賞(師匠)、邦子(室井)の3人は死体を「解体」する羽目に。弁当工場に働く平凡な主婦4人が、嫌気のさす日常から脱出(OUT)しようとする姿がリアル。
原作ファンには不評のようだが、原作を知らない私は純粋に楽しめた。雅子の立場を自分に置き換えたとき、自分ならどうしただろう?などと想像してしまった。事件が明るみに出てしまうのが時間の問題となったときの、あっけらかんとした無計画ぶりが等身大の主婦っぽかった。
おぞましい死体解体を後半、ビジネスライクにこなす姿に笑えたな。★★★☆☆
間寛平さんのヒールっぷりが意外と怖かった。
>>>続きを読む原題:PLANET OF THE APES(68年米)
監督:フランクリン・J・シャフナー
原作:ピエール・ブール
出演:チャールトン・ヘストン
ティム・バートンによるリメイク(01年米)で広く知られることになった『猿の惑星』
。しかし、やっぱりオリジナルの出来はスゴイ。日曜洋画劇場でよく観てたけど、この衝撃のラストシーンは忘れられないよね。
地球へ帰還するため眠りについた宇宙飛行士達は、猿が人間を支配する惑星に不時着する。主人公テイラーは捕まってしまうが、猿人の協力者を得て逃亡する。そして地球によく似た「猿の惑星」の歴史をひも解くことに…。
野生化した人間が言葉を話せない設定や、猿人が意外と知的な様子が面白い。猿人によって脳の手術を施されたテイラーの仲間を見たときは侮りがたし!と思ったものだ。
猿人ザイアスが人間を忌み嫌う理由が、同朋同士殺し合うのは「人間」だけだ、という祖先の言葉によるところが重いです。テイラーも地球人のことではないと思いつつ一瞬怯んだように見えたもの。そして、その言葉を証明するかのような海辺に埋もれる自由の女神。劇中、人間は細菌か流行病が原因で滅亡したかのような件があるけど、間違いなく核戦争のせいでは。最後テイラーの慟哭がはげしく悲しい。★★★★☆
格調高い演出が素晴らしいです。
ジェリー・ゴールドスミスの音楽が、なんとも言えない緊張感を与えていてスリリング。
監督:崔洋一
原作:梁石日(ヤン・ソギル)
出演:ビートたけし / 鈴木京香 / 新井浩文
『血と骨』(04年)を観た。とてもセンセーショナルな映画だった。なんて言うか、同じ人間としてこんな”人間”が実在したのか、という驚きと恐怖。
一旗揚げようと済州島から大阪に出稼ぎに来た金俊平(たけし)は、朝鮮人に対する劣悪な労働条件と差別から自分の蒲鉾工場を立ち上げ成功する。妻英姫(鈴木)との間には花子と正雄が生まれるも、家庭は暴力と恐怖で荒れる。この正雄を語り部とし、戦中戦後の朝鮮人集落を舞台に徹底した自己中心主義者で凶暴かつ強欲な俊平の壮絶な生き様を描く。
たけし以外に「怪物」とまで呼ばれた金俊平を演れる人を考えてみたが、若い頃の三國連太郎か山崎努ぐらいだろうか。しかし俊平の理不尽さを最も表現できるのは、今やっぱりたけしかな。無表情でむやみに暴れる様子は圧倒されるが、寂しい晩年に人間の”業”を感じる。
脳腫瘍で倒れた妾を気遣ったり、やたらと子供を欲しがるシーンでチラッと見える人間らしさ以外は、ひたすら「怪物」だった。もうゴジラとかの域だわ、あれは。★★★★☆
あしたま!が終わってしまった濱田マリが2人目の妾役で体当たり演技しています。濃厚な濡れ場に、観てるこっちが動揺してしまいました。
>>>続きを読む監督・脚本:押井守
原作:士郎正宗
制作:プロダクションI.G
『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』(95年)の続編となる『イノセンス』
(04年)を観た。
『攻殻機動隊』は、その洗練された映像に当時非常に感動した。9年経ち『イノセンス』は鳴り物入りで公開されたが、『攻殻機動隊』のときのインパクトはなかったな。9年も経てば日進月歩なCGは飛躍的にレベルも上がるだろうし、制作期間3年、総制作費20億と言われるその映像美は確かにスゴかった。しかしセルとCGとのバランスが全くとれておらず、合成された画はひどかったな。セルもCGもそれぞれ素晴らしいのに、まるで統一感がなく悪く言えば「スゴいでしょう」って技術の高さを見せつけるためだけの映像になっているようで残念だった。
ストーリーはガイノイド暴走の原因をバトーとトグサが追求していくというのがおおまかな話だが、禅問答のようなやりとりは『ブレードランナー』を思い出す。人間だって「心」がないと人形と同じ。球体関節人形に似たガイノイドは非常に美しく、人間に翻弄される人形として象徴的だった。★★★☆☆
■参考リンク:
・イノセンス 公式ページ
・映画「イノセンス」公開記念 押井守監修 「球体関節人形展」
・「押井果汁100%『イノセンス』徹底解剖!
監督・脚本:矢口史靖
出演:上野樹里 / 貫地谷しほり / 本仮屋ユイカ / 豊島由佳梨 / 平岡祐太
『ウォーターボーイズ』(01年)の矢口監督作品『スウィングガールズ』
(04年)を観た。
サボリの口実でビッグバンドを始めた女子高生達が、徐々にジャズの魅力に引き込まれ、自分らで楽器を用意してバンドを結成するほどに。
いや〜、面白い!ちゃっかりした女子高生達と気弱な男子がひとり。とぼけた演出と山形弁が非常に楽しい。出演者本人による演奏はイキイキと素晴らしいし、ジャズに縁がない私もノリノリでスウィングしてました。スウィングすれば、どんな音もジャズなのね!★★★☆☆
個性的過ぎる竹中直人と対照的なブラスバンド部顧問の白石美帆が意外とイイ。
ドラム担当の子がちょっと演出過剰かな。
原題:THE DAY AFTER TOMORROW(04年米)
監督:ローランド・エメリッヒ
出演:デニス・クエイド / ジェイク・ギレンホール
地球温暖化が原因で各地で異常気象が発生。日本には巨大ひょうが降りそそぎ、ロスには巨大ハリケーンが、NYは大津波に呑み込まれる。古代の気候を研究するジャック(デニス)は、地球が再び氷河期を迎えると予測するも政府は動かない。
最近の異常気象を考えるとシャレにならない。絵空事ではない話を、見事な映像で説得力をもたせている。
怖っ!
人間ドラマも噂ほどクサくはなかったが、ワシントンからNYへジャックが学者の立場を忘れて息子を助けに行くシーンは非現実的。意外と天候の回復が早く、主人公が奇跡的に助かったハッピーエンドな裏で実は何百万人と死人が出ている事実、J.Dの家族の生存が絶望的な点を見ても、もうちょっと悲壮感が漂っても。
それを補う映像の素晴らしさだけは絶賛です。★★★☆☆
400カット以上とも言われるVFXを担当したのは、ILM、Hydraulx、The Orphanage、Digital Domain、Tweak Films、Zoic Studios、yU+co、Dreamscapeなどのプロダクション。
■参考リンク:
・eiga.com 第2回:「デイ・アフター・トゥモロー」のVFX技術
・Autodesk - 3ds max ユーザ事例追加 : Dreamscape Imagery
監督:チャン・イーモウ
衣装:ワダエミ
出演:金城武 / チャン・ツィイー / アンディ・ラウ
『LOVERS』(04年中)は、『HERO』のスタッフが再び結集した唐王朝衰退期の中国を舞台にしたラブストーリー。
朝廷に仕える官吏ジン(金城)とリウ(アンディ)は、”飛刀門”という反政府賊軍を一網打尽にするため、その頭目の娘と思われる盲目の芸妓シャオメイ(ツィイー)を騙しアジトへの潜入を試みる。
『HERO』同様ワダエミの衣装は素晴らしく、遊郭のきらびやかなセットはまさに楽園。チャン・ツィイー本人が踊る姿は非常に美しく、金城武の軟派オトコもはまってるし、アンディの堅物ぶりもイイ感じ。
盲目なのに、なんでそんなに強いの?とか馬に乗れるの?とか?な部分もあるが、楽しめた。
二転三転するストーリーは面白いのだが、所詮メインが男女のもつれであるため個人的には『HERO』を超える出来ではないように思う。ジンとリウが辿る運命や”飛刀門”と朝廷との諍いの結果が観たかったな。★★★★☆
監督:三池崇史
原作:林洋司
出演:吉川晃司 / 山崎努 / 大塚寧々
『天国から来た男たち』(01年)は、『漂流街』
(00年)で長い間映画出演を拒んできた吉川晃司をくどき落とした三池監督との作品第2弾。
身に憶えのない覚醒剤所持で出張先フィリピンで逮捕されたエリート商社マン早坂(吉川)。妻や会社に裏切られた早坂だが、獄中でも逞しく生きる日本人囚人達と出会い、金さえあれば自由が買える刑務所生活に馴染んでいく…。
三池監督の映画は奇想天外なモノが多いなか、結構マトモに楽しめる作品。
有り得ない展開はファンタジーに違いないのだけど、山崎努や遠藤憲一などの手堅いキャスティング、砂埃やハエなど現在のフィリピンの社会情勢まで感じられるフィリピンロケも手伝って痛快な出来となっている。
しかし何がいいって、吉川晃司がカッコ良過ぎ!派手な演技ではないが、なんか存在感が際立ってて地味なリーマン姿も滲み出るカリスマ性を抑えきれない感じ。実に男前な背広姿によろめいた。★★★★☆
■参考リンク:
・三池崇史のシネコラマ 第9回「かっこよすぎる吉川晃司」
原題:Flash Gordon(80年米)
監督:マイク・ホッジス
音楽:Queen
出演:サム・ジョーンズ / メロディ・アンダーソン / オルネラ・ムーティ
「フラッシュ!アァ〜!」のフレディの歌声がお馴染みの『フラッシュ・ゴードン』。しかし見れば見るほど?が。まず地球を救うためザーコフ博士が同行に選んだのが、単なるフットボール選手のフラッシュとその婚約者。なぜ?フラッシュは実は超人で変身でもするのか?という期待と共に観ていたが、一向にその気配なし。フラッシュは体格がいいだけの一般人だった。
のっけからの?はそのままに物語は地球征服を企むミン皇帝との宇宙戦争へ。豪華な衣装(フラッシュだけはフラッシュの名前入りタンクトップ)とチープなセット、大雑把なストーリーとツッコミどころ満載だが、クイーンの曲による抑揚感だけは素晴らしかった。
肝心のフラッシュ役に華がないのが残念だが、ミン皇帝やオーラ姫はセクシー路線が良かったな。
途中、オーラ姫が受ける「穴掘り虫」による拷問とは一体?しかも喜んでいたとは、セクシーですね。
若き日のティモシー・ダルトンが出ていてカッコ良かった。★★☆☆☆
ジョージ・ルーカスも映画化を熱望していたアメコミを80億かけて映画化したシロモノらしい。
当時最新技術を駆使したという映像も、わざとアメコミ路線を狙っているせいかそれほどでも。
■参考リンク:
・フラッシュ・ゴードンの映画レビュー「独断!俺的趣味の小屋」 紹介編 セクシー編
・『フレッシュ・ゴードン』 フラッシュ・ゴードンのポルノパロディ版
・「フラッシュ・ゴードンの思春記」
監督・脚本・撮影:石井輝男
原作:江戸川乱歩
出演:リリー・フランキー / 塚本晋也 / 橋本麗香 / 丹波哲郎
イラストレーターのリリーさんが主演とあって、『盲獣VS一寸法師』(01年)を観てみた。
江戸川乱歩の原作をモチーフに、盲目の殺人犯と頭は大人で身体は子供の”一寸法師”を相手に三文小説化小林紋三(リリー)と私立探偵 明智小五郎(塚本)は猟奇事件の調査に乗り出す。
石井輝男映画塾の卒業制作といった趣なのでチープさは否めない。及川ミッチーや丹波さん、手塚眞など異色のキャスティングに比べ、ビデオ撮影も手伝って安っぽい出来になっている。構成も演出も?な場面が続き、エログロさ半減。そうは言っても石井監督特有のおどろおどろしさはちゃんと出ていて妙な不気味さは面白かった。塚本さんの声の良さとリリーさんの佇まいが意外とマッチしていたのが救いかな。★★☆☆☆
メーキングを観ると、若き映画監督の卵達の熱意が伝わってくる。道理で学園祭のノリが素人くささを強調しているのね。
H・G・ウェルズ原作、スピルバーグ監督の『宇宙戦争』を観た。『未知との遭遇』
、『E.T』
とは異なる凶悪なエイリアンが地球を襲いまくる!下馬評の悪さから期待してなかったけど、なかなか楽しめた。ハリウッド大作としてはこの程度で十分だろう。皆さん、ハリウッド映画に期待し過ぎなのでは…。
ある日激しい雷とともに地表から現れた巨大なトライポッド!宇宙人の操るその戦闘マシンの圧倒的な強さの前に、人間は逃げることしかできない。その登場は圧巻で、地震や台風など自然災害の多い昨今ではリアルで怖かった。カメラワーク、演出、CG合成、文句なしの出来だった。
キーキーうるさいダコタ・ファニングを連れてただ逃げ惑うトムはサスガ主人公、よく生き延びてるな〜。
トム親子3人が森へ逃げ込んだときに、トライポッドにさらわれた人間の灰と服が空からはらはらと落ちてくるシーンは、この後の壮絶な展開を予期していたようで印象的だった。
トライポッドが人類の生まれるずっと以前に地中に埋められていたという設定は、『2001年宇宙の旅』のモノリスを思い出した。
途中、この無敵のトライポッドを大阪で倒したという台詞があるけど、どうやって?!スピルバーグ監督は、インタビューでユニバーサル・スタジオ・ジャパンが一番最初に攻撃される(笑)と言っていた。
個人的にはスター・ウォーズ エピソード3より面白かった。エピソード4,5,6の流れがあって初めて3は成り立つので、宇宙戦争の方が映画としてまとまっていたように思う。★★★☆☆
>>>続きを読む制作・監督・脚本:大嶋 拓
出演:鈴木重子 / ちわきまゆみ / 堺 雅人 / 日下武史
『火星のわが家』(99年)を観た。NHK大河ドラマ『新撰組!』での堺雅人ブレイクが影響しているのか巷で人気らしい。ステージに立つと声が出なくなってしまう歌手未知子(鈴木)と、かつて「宇宙旅行協会」という団体で火星の土地の分譲をしていた今も宇宙に想いを馳せる夢多き父を中心にサラッとした不思議な映画だった。実際にジャズシンガーである鈴木重子の涼やかな存在感が素敵です。ボソボソとした棒読みの台詞回しも主人公の優しい雰囲気が出ていた。居候役の堺雅人は今ほど演技が大袈裟でなく、そのうまさが際立っていて良かった。父が病床で、先立たれた妻が火星で待ってる夢を見たのが微笑ましい。★★★☆☆
とうとうサーガ完結編を観た。正直エピソード1,2の出来が悪かったので期待していなかったけど。結果から言うと、やはりイマイチだった。CGは相変わらず見事だけど、板野サーカスかと見紛う過剰な演出はうるさくて、敵か味方かワケがわからず集中できなかった。冒頭の派手な艦隊シーンと反してのどかなアナキンとオビ=ワンの会話はユーモアを狙っているのかもしれないが、グリーンバックでの撮影における演技の限界かも。そうは言ってもエピソード4へつながるストーリーとしてアナキンがダース・ベイダーへと落ちていく様子は、ヘイデン・クリステンセン君の演技が上手になったせいか良かった。個人的にはオビ=ワンのユアン・マクレガーが後のアレック・ギネスにやっぱり見えないのと、ヘイデン君のスタイルの良さではダース・ベイダーが9等身に変わってしまうのでは!と心配になってしまったことかな。あとチューバッカって意外と長生きなのね…。★★★☆☆
原題:Whispers: An Elephant's Tale(00年米)
監督:デレク・ジョーバート
声の出演:アンジェラ・バセット / ジョアンナ・ラムレイ / アン・アーチャー
『星になった少年』が公開され象つながりなのか、CXで深夜放送していた。
迷子になった子象の物語で、『皇帝ペンギン』方式で野生の象にアフレコしたもの。ケーブル放送のみで劇場公開していないらしいが、これが結構泣けた。何がイイって子象ウィスパース役のデビ・デリーベリーの声がめちゃくちゃカワイイ。アメリカの野沢雅子ってトコロかしら。子象のすねた感じが出ていて良かったわあ。
母親とはぐれたウィスパースを面倒見るハメになったグルーブが、死んでしまうところは泣けた。象って目が涙でにじんでるのよね、人間っぽい。★★★☆☆
原題:宗家皇朝 The Soong Sisters(97年日・香)
監督:メイベル・チャン
音楽:喜太郎 / ランディ・ミラー
出演:マギー・チャン / ミシェール・ヨー / ヴィヴィアン・ウー
辛亥革命後の中国を舞台に史実を元にした物語。アメリカで教育を受けた裕福な三姉妹は、それぞれまったくタイプの異なる相手を選ぶ。長女は孔子の末裔で大財閥の御曹司と、次女は後の国家主席孫文と、三女は国民党の指導者となる蒋介石と結婚する。激動の時代、三姉妹はそれぞれの道を歩む。
壮大な内容だけど難しい内容ではなく2時間ドラマにも似て退屈しない。でも歴史を知っていると、次女と三女の諍いなどもっと楽しめるかも。
歴史上の人物の名前がぞくぞくと出てくるのに対し、毛沢東の名前だけは出てこなかった。建国当時の写真がチラっと映っただけで、文字や言葉では一度もなかった。何かタブーがあるのだろうか…?周恩来でさえ出てくるのに。
次女慶齢役のマギーが凛として美しい。革命家の夫の遺志を継ぎ、国を想って積極的に行動する姿にはカリスマを覚える。蒋介石が慶齢を苦々しく思うのも納得。しかし三姉妹の存在感に対し、つくづく男性陣にオーラがない。三女の美齢役がもう少し美人だったら良かったとは思うけど…。★★★☆☆
原題:Close Encounters of the Third Kind(77年米)
監督・脚本:スティーヴン・スピルバーグ
出演:リチャード・ドレイファス / テリー・ガー / ボブ・バラバン / フランソワ・トリュフォー
UFOとの「第三種接近遭遇」を取り上げたSF超大作。砂漠で第二次大戦時の戦闘機が真新しい姿のまま発見される。その頃インディアナ州でもUFOが目撃され、目撃した人々の意識下にワイオミング州のデビルズ・タワーのイメージが残される。そのひとりロイ(リチャード)はイメージに誘われ、戒厳令のなかデビルズ・タワーに向かう。そこでは人類史上初の異星人とのコンタクトがまさに行われようとしていた…!
スピルバーグの記念碑的作品で、5段階音程による異星人とのコンタクトは荘厳で非常に美しい。映像も神々しく、どこかドキュメンタリーっぽさを覚えるほど。ロイが笑みを浮かべて異星人の子供に手をとられていく様は、侵略者ではない異星人との接触がファンタジーとして描かれていて暖かさを感じる。巨大な円盤を前にした人類が逆光で立ち尽くす様は、今でもいろんな作品にリスペクトされてるよね。★★★★☆
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